アレコレ読みたい雑記

ジャンルを問わず書籍読んで感想書くブログ

我慢して生きるほど人生は長くない

[著者:鈴木裕介/アスコム]

 “自分の境界線”を侵害されて踏み込まれる事を、本書では『ラインオーバー』と呼んでいます。自分らしくもっと楽に生きる為には、他人にラインオーバーをさせない、そして自分からラインオーバーしない。つまりは、自分と他人との『境界線』を明確に引いて、ラインオーバーされない“心の守り方”が大切だと言う事だそうです。

 本書で著者が指摘しているような、様々な心の苦痛や精神的な病を聞いて、「そりゃ生き苦しくもなるよ」と強く思わされました。私自身は、多分そう言った『病んでいる状態』にはなっていないので、今後の備えと言う意味で知っておきたい気持ちで読んでみました。もちろん一番いいのは、我慢し過ぎて疲れない事ですけど。

 こうして自身の心の改善方法に触れていると、「なるほど」と納得すると同時に、もしかしたらちょっとした事でも心が病んで精神が転落してしまうのかも……なんて事も感じたりしました。どんな状況に陥ったら『我慢し過ぎて疲れてしまうのか?』の気付きを得られたようにも思いました。


現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全

[著者:佐々木俊尚/東洋経済新報社]

 『読む』と言えば、個人的には“趣味や娯楽の範囲”にしかないので、興味の外にあるものにはそれほど興味を引かれなかったと言った感じです。

 本書は『知識や情報を得る為の最適な読み方』に寄っていたように思えたので、欲していた内容とはちょっと違っていたかなと言う印象です。結局はそれぞれ読み手にとって興味があり必要性を感じる部分だけ、念入りに拾って行けばいいのかなと思いました。

 その点で言うと、第5章『本は「何を」「どう」読めばいいか』には大いに興味を引かれました。今の趣味や娯楽としての読書にも、色々と取り入れてみたものがありました。

 一番気になっていた『集中出来ない事を前提とした読書法』に関しては、個人的には「ちょっと合わないかなあ」と言う手応えでした。とは言え、実践してみないと本当の所は分からないのですが……個々の読書スタイルによっても、合う合わないは出て来るものなのかも知れません。


最適な「人生のペース」が見つかる 捨てる時間術

[著者:若杉アキラ/日本実業出版社]

 ミニマリスト思考の『時間短縮術』なのかなと思いました。『モノを減らす』部分を『時間を減らす』に置き換えても割と成立するような、そんな内容でした。

 結構著者の価値観で、「こうするべき」「こうするべきではない」「これこそ時短術」「これは時間の無駄」と言い切ってるので、そこを指摘されると受け入れ難い気持ちになったりするかも知れないです。実際に読んでいて「うーん……」な所もありましたし。

 まあその辺りは参考程度に留めておいて、積極的に取り入れたい要素を優先して拾って行くのがよいのだと思います。

 あとは、個人的に一番大切だと思う事。無駄な時間を短縮する行動そのものよりも、その短縮して得た時間が『有益に有益に使えているかどうか?』を考えて意識する事ではないかなと。無駄時間を短縮したのに、その時間を無駄に費やしていたら意味ないですから。


時間がない…から解放される「超」時間術

[著者:山本憲明/三笠書房]

 『命の重さ=時間の重さ』を前提に、“人生で自分が有効活用出来る時間”を意識した『時間管理術』と『時間活用術』について描かれた一冊。個人的にも、ここ1年くらいの間で、日常生活における時間の使い方をかなり意識するようになりました。そんな所から興味が湧いたのが、本書を手に取ったきっかけですね。

 たとえば寿命80年と設定した上で、逆算して『自分が人生で使える時間』を導き出し、さらに年間で使える時間、月間で使える時間、週間で使える時間、と絞り込みながら正確に把握出来るよう意識して行く。そこから今度は、一日で『自由になる時間』を把握して、時間管理の段階へと移って行くような流れです。

 「そんなの面倒くせえよ」とか言わずに、試しに一度ざっくりとでも意識して考えてみると、意外な程に自分が消費している『時間の内訳』と言うやつが把握出来ていない事に気付けるはず……だと思います。

 まあ分かっちゃいるけど、『ダラダラと無駄な時間を潰す』のって気持ちいいんですよね。テレビ、ゲーム、動画配信、SNS。無意識的にやっていて「ハッ!?」と気付いて「何やってんだ……」と無駄な時間潰しに後悔する。本当に時間管理に立ちはだかる『難敵』だと思います。ここを何とか意識的に介入出来るよう変えて行きたいですよね。

 個人的には、気付いた時に「時間は有限 時間は有限 時間は命 時間は命……」と頭の中で唱えたりしてます。割と気持ちの切り替えには効果が出ているんじゃなかなあ、と自分では思ってます。


精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方

[著者:樺沢紫苑/PHP研究所]

 結論から言うと、『遊び』を『楽しむ事』であり、日々の活力を『仕事ファースト』から『遊びファースト』へ移行させる事である、と。それから、『仕事』を取るか『遊び』を取るかの二者択一思考がそもそもの“誤り”であり、肝心なのは遊びを優先させつつ仕事と両立させて行く事、だそうです。

 常にSNSやYouTubeで発信活動をされていて、こういう事を主張する度に異論・反論・批判が山のように届くのだとか。まあ「確かになあ」と思う所もあります。自分の凝り固まった『常識』とやらを崩していかなければ、なかなか受け入れにくい部分もあると思いました。

 でも、本書では「そんな事出来ねえよ!」と言う批判の声を上げる人に対しても、物凄い『熱意』を持って説得しようとしているんですよね。本当に自身を持って、『遊ぶ事がこそが必要』であり『楽しむ事こそが大切だ』と、何度も何度も相当な熱量を注いで言葉にされています。

 とても説得力があり、具体性があり、再現性もある。個人的には、『遊ぶ事』に対する考え方、そして『仕事』との向き合い方について、かなり意識が変化しました。

 いきなり書かれている事を全部こなせなくても、少なくても1日15分は『楽しい時間』を意識して『遊び』に注いでみて欲しい、と提案されています。そうすれば、きっと少しずつ日々の生活も良い方へ変わってくれるんじゃないかな、と。そんな風に強く思いました。


80歳の壁

[著者:和田秀樹/幻冬舎]

 70~80代の人とそれ以下の年齢の人で決定的に違うのは、『健康への意識や向き合い方』『病気との付き合い方』だと思いました。老化による病気は誰にとっても避けられないもので、もう70~80代で病気を抱えてしまったら、ある程度は対抗せずに受け入れてしまおう、と言う意識。

 若年から中年世代だと、予防医療や病気根治の為の治療がごく当たり前の意識なので、この辺りの受け留め方はかなり違うなあと読んでいて感じました。もちろん、病気による影響で耐え難い苦痛を感じるなら、医療機関に頼るのも必要である。ただし、医者の言う事を全て鵜呑みにしてしまうのは危険でもある……と、本書では述べられていました。身体に無理をさせる治療を続ける方が、放っておくよりも寿命を縮めてしまう可能性が高いのだとか。

 まあ、受け取り方や対処の仕方は、個人個人の抱える状態で大きく違ってくるのでしょうけどね。納得は出来て説得力もある。ただ、実際に実践してみてどうなるかは、当人でなければ分からない。今後自分が80代まで生きた場合、非常に有効活用出来そうな内容も多いと感じました。ただ、こと病気に関しては、充分に考慮して自分に合った“付き合い方”を見つけるべきなのかも知れません。

 本書の後半の『高い壁を低くするヒント 50音カルタ』の記述は、充実した『老後の生』を意識する上で非常に参考になりました。


70代で死ぬ人、80代でも元気な人

[著者:和田秀樹/マガジンハウス]

 活動的に生きているかどうか? 本音を抑え込まずに自由に生きられているかどうか? この辺りの差が元気に生き続ける人と、そうでない人の差に繋がるのだとか。

 好きな事や夢中になれる事を見つけて、『精力的に外へ出て活動する事』によって、活動的で自由にやりたい事をやれる日々になり、結果として心身ともに健康で充実した生き方に繋がって行くのだそうです。

 主に70~80代の方に向けられているので、そこから下の世代だと、もしかしたら感じ方や捉え方が違って来るのかも知れません。一番違いを感じたのは、健康との向き合い方や病気との付き合い方についてです。本来なら予防や根治に努める所を、70~80代は日常的に活動を極端に害するものでなければ、“身体に負担をかけてまで治すのは充分考慮した方が良い”と述べられています。

 要は病気治療や予防医療よりも、趣味や生きがいを優先させよ、と。その方が精神的に病んでしまう、老人性うつ病や認知症の進行を遅らせる傾向にあるのだとか。高齢者専門の精神医療に長年携わって来た、著者の経験に基づいた言葉なので、説得力は充分にあります。

 個人的には実際にその年齢に達するのはまだまだ先なので、正直何とも言えない所なのですが……好きな事をやって精力的に生きるのは、年齢問わず元気に生きる事に対して有効なのかなと思いました。


大人のソロキャンプ入門

[著者:ヒロシ/SBクリエイティブ]

 『ソロキャンプ』を語る“ヒロシさん自身”について興味があったので、手に取ってみました。好きな事を好きなように語る中で、ヒロシさんの本質に触れる事が出来るのかな、と思ったもので。実際の所は、聞き手の方との『対話形式』のソロキャンプのお話がメインでした。当たり前ですけど。

 一番強く思ったのは、やっぱり『好きな事をやっている“好き”の気持ちを誰かに伝えたい』って思いにあふれていた事でしょうかね。余計な外野の声は気にする事なく一切関係なく、本当にソロキャンプが大好きなんだなあって思いました。

 もちろん思いを語るだけではなく、『ソロキャンプ入門』としての部分も優しく丁寧に語られていました。特に印象的だったのが、とにかく徹底的に『自分のやり方を相手に押し付けない』を、常に意識して語られていた事。「僕はこうやってるよ」と適切な意見を述べた上で、「その人の好きなようにやるのが正解だよ」と決して押し付けをしない。どんな場面でもです。

 自分で調べて考えて実行して失敗して経験して……その積み重ねこそが本来の楽しい形なのかなと感じました。こういう考えも、絶対ではないし押し付けてもいないです。未経験者から中上級者まで、こうした語り口調はとても受け入れやすく自分の中にも取り入れやすい。少しでもソロキャンプに興味のある人なら、気分を味わう程度のほんの些細な事からでも『やってみたくなる』気持ちにさせてくれる一冊だと思いました。


ひろゆき流 ずるい問題解決の技術

[著者:西村博之/プレジデント社]

 自分にとって『問題』だと思って抱えている、根本的な問題の正体は何か? 自分でもよく分かってない問題の根本を、具体的に分かるようにする方法。そこから、『問題解決』に至るまでどうするべきか? その方法の中に、タイトルにもある『ずるい技術』と表現されるものも含まれているわけです。

 実際読んでみて、アウト的な方法とまではいかなくても、黒に近いグレー的なものは所々にあったかも? 要するに、一般的に誰もが思い付くような方法ではなく、誰も思いつかない、あるいは積極的にやろうとしない方法を取る。その“うまい探し方”を身に付けて、極力ラクして難局を乗り切ってしまおう、と言う事。

 そう簡単に出るもんでも身に付くもんでもないなあ、とは思いました。コツとか慣れの問題、ではあるらしいですけど。まあ『解決』のほうはともかく、個人的に『問題の把握』に関しては結構身になる気付きが多かったです。『何か問題なのか?』の根本的要因を徹底的に探れば、本書で触れている『解決方法』も身に付いて行く……のかも知れません。


手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択

[著者:ミニマリストしぶ/KADOKAWA]

 『モノを減らす』ことよりも、『少数のモノを“徹底的に厳選して”持つ』ことを、より重視した内容だと思いました。

 まず自分の持つモノの『厳選』が先に立ち、その結果として『モノが減る』ことに繋がって行く。自分にとって本当に心底から今必要なモノはなにか? それを見極めることの大切さや重要性が丁寧に語られています。ミニマリストとしての活動や豊富な実体験をもとにしての内容で、説得力も充分に感じられました。

 なんでもかんでも徹底的にモノ減らせばいい、という事とはかなり異なる内容だったのは凄く印象的でした。なにかモノを持とうとする段階から、手放すことまでも充分に考え抜いてから決める。なるほどなあと。この意識付けが普段から出来れば、確実に『取捨選択』の力になると思いました。

 自分では割と物持ちは少ない方だと思っていたんですが、まだまだ手を入れる余地はありそうです。