アレコレ読みたい雑記

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80歳の壁

[著者:和田秀樹/幻冬舎]

 70~80代の人とそれ以下の年齢の人で決定的に違うのは、『健康への意識や向き合い方』『病気との付き合い方』だと思いました。老化による病気は誰にとっても避けられないもので、もう70~80代で病気を抱えてしまったら、ある程度は対抗せずに受け入れてしまおう、と言う意識。

 若年から中年世代だと、予防医療や病気根治の為の治療がごく当たり前の意識なので、この辺りの受け留め方はかなり違うなあと読んでいて感じました。もちろん、病気による影響で耐え難い苦痛を感じるなら、医療機関に頼るのも必要である。ただし、医者の言う事を全て鵜呑みにしてしまうのは危険でもある……と、本書では述べられていました。身体に無理をさせる治療を続ける方が、放っておくよりも寿命を縮めてしまう可能性が高いのだとか。

 まあ、受け取り方や対処の仕方は、個人個人の抱える状態で大きく違ってくるのでしょうけどね。納得は出来て説得力もある。ただ、実際に実践してみてどうなるかは、当人でなければ分からない。今後自分が80代まで生きた場合、非常に有効活用出来そうな内容も多いと感じました。ただ、こと病気に関しては、充分に考慮して自分に合った“付き合い方”を見つけるべきなのかも知れません。

 本書の後半の『高い壁を低くするヒント 50音カルタ』の記述は、充実した『老後の生』を意識する上で非常に参考になりました。