アレコレ読みたい雑記

ジャンルを問わず書籍読んで感想書くブログ

自分探しと楽しさについて

[著者:森博嗣/集英社]

 掴み所のない話、って著者もご自身で抽象的に偏った話し方をしていると言われていた(ような気がする)通りの内容で。

 何の話だったかと言えば、タイトル通りの『自分探し』と『楽しさ』についてなんですが、意識して心に留めておかないと大体「そういやこれ、何の話だったっけ?」ってなります。

 割と単純明快そうな話題を、よくもまあこれだけ色んな形で深く掘りに掘りまくって「実はこんなに複雑で面倒で、面白いものかも知れない」と示してみせてくれるよなあと。

 で、最後に著者のお決まりで押し付けやおすすめは一切しない。「あくまで僕は僕の考えを述べただけ。あなたはあなたの好きなように」と。

名医が考えた認知症にならない最強の食事術

[著者:江部康二/宝島社]

 個人的に、本書で言う所の『スーパー糖質制限食(3食ほぼ糖質抜き)』を1年以上継続した経験があります。現在は主食類の糖質はほぼ抜いていて一日二食、甘いものはどうしても断てなくてなるべく控え目に摂取、と言った具合です。

 結果的に、内臓器官の不調、肌荒れや湿疹など、体感的にも血液検査の数値的にも劇的に改善しました。それから、特に糖尿病患者の血糖コントロールや数値改善には絶大な効果があるのも確かなようです。

 まあ『白米パンうどんそばラーメンパスタピザスイーツスナック菓子全部大好き!』な人にとっては地獄のような食事法でしょうけど。

 その辺は本書で江部先生も「無理はせず出来る範囲から緩やかに」と言われているので、体調不良が気になる人は少しずつ試してみるのが良いのではないでしょうか。

みんなボケるんだから 恐れず軽やかに老いを味わい尽くす

[著者:和田秀樹/SBクリエイティブ]

 世にあふれる認知症に対する認識は、誤解や間違った思い込みである事多い、と本書で和田先生が言われている。

 その話から考えられるのは、多くの人が認知症の症状だと思っていた問題は、実は認知症患者全体からすればごく少数なのではないのだろうか、と。

 認知症の本質をなかなか理解してもらえない歯がゆさと、是非本当に正しい知識を身に付けて欲しいと言う並々ならぬ熱意が感じられる内容でした。

 本当の所は、実際自分が高齢になってみないと分からないんですが、認知症の事をかなり前向きに捉えられるようになれたかなと思います。

休養学 あなたを疲れから救う

[著者:片野秀樹/東洋経済新報社]

 『睡眠』は『体と心の休養』に必要不可欠だけど、“睡眠だけでは本当の意味での休養を得る事は出来ない”事を指摘し、ではほかになにが必要なのかを本書で詳しく解説してくれています。

 「普段ちゃんと寝てるはずなのに、何故か疲れやダルさが抜けないんだよなあ」なんて人にとっては、目から鱗が落ちるような内容だと思いました。

 『休養学』……実に奥が深い。睡眠に関して「まだこれといった明確な答えは分かっていない」、としっかり触れている辺りも良いですよね。

 個人的には、睡眠時間や効果の程度なんて『個人差の塊』だと思っているのであまり他の情報をあてにしてなくて。そう言った意味で、睡眠以外の休養方法が色々と示されている所はなかなか良い感触でした。どれも理解しやすくて、割と簡単に実践出来るのもいいですよね。

自分を信じるということ ありのままで生きる

[著者:和田秀樹/マガジンハウス]

 『自分を信じる』とはどのような人を指すのか? 逆に『自分を信じていない』と言うのはどのような状態なのか?

 両方を比較しながら、何が今の自分を息苦しくしてるのか、そしてどうすれば自分を信じて幸せな方向へ向かう事が出来るのか、などについて語られていました。

 なるべく深く自分自身と向き合えるよう、客観視し易いように伝えられているので、かなり『今の自分はどうなのか』が的確に把握出来たのかなと。

経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて

[著者:山崎元/Gakken]

 個人的には、あくまで『他人の父親が息子へ送った手紙』以外のなにものでもなくて、そこから学びを得ようとか身になるものや糧になるものを探そうとか、そういうの一切考えないで客観視点に徹して読んでいました。そうしないと色々と感情が爆発しそうだったので。

金を使うならカラダに使え。 老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方

[著者:堀江貴文/監修:予防医療普及協会/幻冬舎]

 自身の健康維持や予防医療に金を惜しみなく注ぎ込め! と言う主張。この健康維持、老化対策、予防医療などに、堀江さんが並々ならぬ強い意思で取り組んでいるのがもの凄く伝わって来る内容でした。

 そこには、堀江さん自身が積極的に意欲的に取り組んでいる事を、より多くの人に知ってもらい普及して欲しい、と言う強い願望が込められているようにも感じました。同時に、そう願ってはいても未だなかなか多くの日本人には声が届いていないであろう歯がゆさなども……。

 本書では、まだ実験研究途上の話が幾つもありましたが、実現すればどれも健康維持に大きな良い影響を与えるものばかり。もしかしたら、近年で急速に成果が現れるものもあるかも知れない。今の自分の身体の状態としっかり向き合い、見直すきっかけを与えてもらえた良書でした。

「健康常識」という大嘘

[著者:和田秀樹/宝島社]

 まあ『大嘘』と断じるには極端過ぎる気もするし、否定する和田先生の言も結局は『それってあなたの意見ですよね?』ってなるだろうし。

 ただ、大嘘は言い過ぎにしても、巷にあふれ返る『健康常識』を“意識的に疑って見てみる”のは結構重要な事なのかも知れない。

 逆に言うなら、色々否定して述べている和田先生の持論も「本当かな?」と受け入れには慎重になってみた方が良いわけで。

 要はどの考え方を取るかは自分次第で、どこまで行っても他人の意見に流されず『自己決定せよ』と言う事なのでしょうかね。

「さびしさ」の正体

[著者:和田秀樹/小学館]

 『高齢者の生き方』的な内容“ではない”和田先生の本は、何度触れてもなんか新鮮に感じるなあと噛み締めるように読んでました。

 この書籍シリーズの傾向で、主に10代の小中高生に向けられた、人間関係の精神不安から発せられる問題提起と解決策に具体的に触れられている内容。それ以外の世代、特に対象の子供を持つ親世代にも、大いに身になる話はいくつも盛り込まれていると思います。

 両親、学校の教師や生徒との関係と精神状態の問題について、精神科医の観点からのアドバイスが実に的確で、対象年代が抱える悩みに対して大きな救いになれるのではないでしょうか。

医者の話を鵜呑みにするな わがままな患者でいいんです

[著者:鎌田實・和田秀樹/ワック]

 健康を意識した食生活や運動を提案している鎌田先生と、それに対して頷きながらも内心しかめっ面してそうな気がした和田先生との対談風景がなんだか面白い。

 和田先生は普段から自著で、『私は病気のデパートだけど、運動嫌いだから最低限で済ませてるし、食べる物も一般的に体にいいとか悪いとか言われてるの関係なしに好きなものを食べる』と言われてる程なので、内科医の鎌田先生からしたら見過ごせないでしょう。実際和田先生の事を『超不良患者ですね』って呆れ顔の半ばお手上げ状態で指摘されてるし。

 もっとも、互いに相反する意見や態度を持ちながらも、決して相手の言葉を否定せず「そうなんですね」と受け入れながら、「私はこう言った考え方です」と自分の述べている辺りはさすがな対応だなと思いました。決して押し付けはしない、あくまで『自己決定』で最終的な判断をするのが大切だと言う事。