[著者:平野啓一郎/講談社]
『個人』を『整数の1』として、個人の中にある様々な状況や他人との付き合いで使い分けている『顔』を『分人』と呼び、それぞれを『個人の整数』に対する『分数』と表現している。
自分自身の『個』を掘り下げるものとして、その考え方の奥深さに「面白いなあ」と感じさせられました。
実際の目まぐるしく変化する日常の中で、果たしてどれだけ『分人』思考を意識していられるか、と気にしてしまう所はあります。
ただ、置かれている環境や他人との付き合い方の数だけ自分の中に分人が存在している、と把握出来ているだけでも大分生き易くなるのかなあ、と思ったりもしました。