アレコレ読みたい雑記

ジャンルを問わず書籍読んで感想書くブログ

医者が教える日本人に効く食事術

[著者:溝口徹/SBクリエイティブ]

 日本人には日本人の体質に適した食事があって、当然ながら欧米では正しいとされる『健康に良い食事』になるとは限らない。では、日本人はどのような体質なのか? その日本人の身体の健康維持に効果的な食事とは何か?

 特に重要と思える所を簡潔にまとめると、取るべきなのは『低糖質、高たんぱく食』との事。具体的な根拠も丁寧に説明されていて、「何故その食事法が効果的なのか?」に関しても説得力を感じました。

 もっとも、極端に糖質全てが悪で、逆にどんなにたんぱく質を過剰摂取しても良い、と言うわけではなくて。程度の問題であり、日本人であっても人それぞれに体質も違うので、自分の体に合った『低糖質、高たんぱく食』の程度を見つけて実践するのが大切と言う事なのでしょう。

腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する

[著者:黒尾誠/幻冬舎]

 『リン』という物質とは一体何か? 人体にどんな影響を与えるのか?

 あまり聞き慣れない、一般的にもそれ程知られていない、でもその本質を理解しておかないと健康を害する恐れが大いにある。そんな『リン』について詳しく書かれた一冊です。

 人間の骨を作るのに必要不可欠なものでありながら、一方で体内での過剰な蓄積は腎機能に大きな悪影響を及ぼすもの、だそうです。読んでみると、リンについてはまだ色々と研究途上の段階と言う印象でした。

 投薬での治療や緩和方法はありながら、実際には保険適用外だったり限定的な症状でしか使用出来なかったり、治験不足による著者の歯痒い思いの一端も覗い知れました。

 今の所はリンが多く含まれているであろう食品を知り、それら食品からの過剰摂取に気を付けて、日々の適度な運動を心掛ける事が一番の対処のようです。

熔ける 再び そして会社も失った

[著者:井川意高/幻冬舎]

 獄中からシャバに戻って再びギャンブル依存を発揮する所から始まり、獄中生活の振り返り、社内での人間関係の闇と裏切りの連鎖に触れ、最後に厳格だった父の最期に触れた際に浮かんだ悔恨や幸せを語って締める。

 一番印象に残ったのは、『井川家』が生み出した『大王製紙』の呪縛から解き放たれて自由を得た、と言った所でしょうか。あくまで本書に触れての個人的な解釈ですが。

 ギャンブルに関しては、個人の金を個人で増やすも熔かすも自由なのでは? 以上でも以下でもなくて、他人がどうこう言う事でもないのかな。

 そもそも勝ち負けとか金が増えるとか失うとかはどうでも良くて、ピリピリした勝負の中に常に身を置き続け、生を実感する事こそが著者の求めるものなのかも知れません。

起業家

[著者:藤田晋/幻冬舎]

 前著『渋谷ではたらく社長の告白』の続編的な著者の自伝。

 『21世紀を代表する会社を創る』と言う理念を貫き、『サイバーエージェント』に『メディア事業』を主な柱にする事に心血を注ぎ、何度も何度も葛藤や挫折を繰り返しながら、激動の2000年~2010年代を駆け抜けた、入魂の一冊とも言える内容でした。

 前作以上に困難の連続で、特にアメーバ部署を軌道に乗せる為の不退転の決意、一蓮托生、死なばもろともな覚悟は鬼気迫るものがあって、本当に色々な思いが伝わって来ました。

 2022年の今、当時持っていた終身雇用と長期勤務の推進の理念はどうなったか? この辺りは少し気になる所です。

渋谷ではたらく社長の告白

[著者:藤田晋/幻冬舎]

 『サイバーエージェント』設立以前から起業、1年後の上場を経ての激動の数々を社長である著者自らが激白。

 『21世紀を代表する会社を作りたい』と言う起業への夢を抱き、何をやるかも決めないままとにかく会社を設立、その後で方針を固めてがむしゃらに夢を目指して先へ先へとひた走る。

 希望と情熱が躍進への起爆剤となるも、上昇気流に乗り掛けたはずがやがて失速、急激な転落を止められない戦意喪失と挫折、しかしそこからの諦めない心が業績回復へと転じて行く。

 2000年前後の数年間に及ぶ怒濤の出来事の数々を、2005年に書かれた本書。記憶が色あせない内の赤裸々な告白は、とてもリアルで生々しく、だからこそ激しく熱く心を揺さぶられるものでした。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録

[著者:井川意高/幻冬舎]

 カジノへ注ぎ込んだ資金を、多額の会社資金を借り入れによって個人流用したとして、逮捕・実刑判決を受けた著者による赤裸々な告白の数々。

 罪を犯した事自体は間違いなく事実だと認め、迷惑をかけた人達への謝罪と反省を謙虚に語られています。

 と同時に、マスコミ報道の虚実を正すべく、先入観から世間に受け付けられた嘘や誤解を振り払う為に、本書を世に出したようにも思えました。

 ギャンブル依存症が招いた逮捕による実刑判決に至るまで、著者の半生をこと細かに読み手に伝えられています。それは、人となりを充分に理解してもらった上で、マスコミ報道の幾つもの虚偽の部分を知って欲しい思いがあったからなのかも知れません。

人生の勝算

[著者:前田裕二/幻冬舎]

 仮想ライブ空間『SHOWROOM』を立ち上げるまでの半生と、『SHOWROOM』のこれからを全力の熱量で著者が語る一冊。

 『コミュニティ』と『人と人との繋がり』の重要性と、それらが自分の目指すべきものであり成功の鍵となる絶対の自信を持って伝えて来るような、圧倒的な力強さを感じました。

 序盤の路上ライブを成功させる為の思考法は、ライブ視聴者よりもライブ配信者側にとって大きなヒントになるのかなあ、と思ったりもしました。

 逆に視聴者視点では、上手くファンを引き付けている配信者とそうでない配信者を見極める“目利き”のヒントになるのかも(それで目当ての配信者にアドバイスする……とかはやり過ぎで余計なお世話なのかな?)

多動力

[著者:堀江貴文/幻冬舎]

 『好きな事を、好きなように(方法)、好きなだけ(時間)やり倒す』の究極だと思いました。

 以降の同著作で大体似たような事が書かれていて、どれも実践すれば身になるものばかりですが、これ一冊だけ読んでおけば事足りるかなと言う印象でした。それだけ本書では、著者がずっと繰り返し伝えている事が全て凝縮されています。

 個人的には『時間の有限』に関しての強調は、やっぱり何度触れても響くものでした。日常的に意識するようになってはいるんですけど、やっぱりその重要性を強く再認識させられますね。

99%はバイアス

[著者:ひろゆき/ダイヤモンド社]

 バイアス=思考の偏り、先入観、思い込み、認識の歪み、など。自分の目で見えているものを疑い、本書に書かれている内容も疑う。

 いっそ世の中で自分と関わる全部を疑ってみてはどうか、と考えさせられるお話。また、バイアスの罠に取り込まれにくい思考法のお話。改めて指摘されて意識してみると、日常生活の至る所罠だらけと気付かされます。

 もしかしたら一切他人と関りを持たないのが一番いいのかも知れない。まあそんな事は無理だよと思いつつ、適度に他者との接し方を警戒してみるべきなのでしょうかね。

「前向きに生きる」ことに疲れたら読む本

[著者:南直哉/アスコム]

 「そもそも前向きに生きなくていいし生きる必要もない」みたいな回答が返って来ます。人は色々な『重荷』を背負っている事を実感させられ、同時にその重荷を少しずつ下ろして軽くしてもらえるような、そんな教えを説いた内容でした。

 個人的には『死に向かって今日を生きる』項目が非常に心に刺さりました。人間の『死生観』を問うお話で、特に死に関しては何となく目線を逸らしていたものとじっくり向き合えたような気持ちになれました。

 とても“深い”のですが、深みを理解しようと考え込み過ぎるのも、また重荷になるのかなと。適度な距離で付き合うのが丁度良いのかも知れません。