[著者:和田秀樹/クロスメディア・パブリッシング(インプレス)]
精神科医らしさがあふれる内容と言うか、高齢者の話が絡まない和田先生の筆致はやはりどこか新鮮だ。
まあそれはさておき、本筋は『優しい人』とは何か、のお話。印象深かったのは、『利己』と『利他』は反発するのではなく、両方をうまく自分の中で融合させる事が『優しさ』へと繋がって行く、というもの。
『“他人の為”にを考える』のは良い方向へ進むのに大事だ、とはよく聞く話。一方で自分優先となると、どこか自己中心的とか自分勝手とか、何となく悪いイメージを持っていました。
でも、そういう事ではなく、まず自分を過度に律せず縛らず、労って優しくする事で余裕が生まれ、そこから他人への労りを充分に意識する事が出来る、と言うものが融合のち共存なのだそうです。
とは言え、利己を自己中、自分優先から発する身勝手、などと勘違いしないよう注意した方が良いのでしょうね。