［著者：中西真（東京大学教授）／宝島社］
『老化は病気です。』
本書の帯より。なかなか刺激的かつ衝撃的な言葉だと思いました。
要は病気であるなら治療方法があると言う事＝将来的に『不老状態』も可能と言う事。
ざっくりまとめると、
・人間には『老い』の原因となる『老化細胞』がある
・その『老化細胞』は、体内の『ＧＬＳ－１』と言う酵素の働きによって死滅せず生き残る
・ならば、『ＧＬＳ－１』の働きを防ぐ『阻害薬』の投薬が有効なのではないか？
・ただ、現時点ではマウスによる実験研究段階の、発展途上の領域である。
と言った内容。
本来ならば、素人では決して簡単に手を出せない領域の内容を、
・『不老』への期待と希望
・不老だけではなく、がんを筆頭とした様々な病状改善への可能性
・良い点だけではなく、現状分かっている懸念や問題点の指摘
・『不老』は実現可能性があっても、『不死』にはなれない
などなど、素人にも非常に理解しやすい文章で丁寧に描かれていたのが印象的でした。
実現したとしても、多分もっとずっと何世代も先の話になるでしょうけど。
数年先で何がどうなってるか分からないのが世の中ですからね。
どれだけの年数をかけて実現に近づいて行くのかは、素人目線ながら興味深い所です。
