アレコレ読みたい雑記

ジャンルを問わず書籍読んで感想書くブログ

悲観する力

[著者:森博嗣/幻冬舎]

 『悲観』と聞くと、何となく否定的な意味合いを持つ響きに感じますが、そうではなくて『疑ってみる目線』や『違う方向性の捉え方』をする、と言う意味での使い方。

 『AならばBである』という一つの答えを信じ込む事の問題を指摘し、『Aであっても必ずBにはならない』思考を持つ事を提案しています。

 著者の『持ち味』というのか、本書でも他の著作でも、一貫して『僕はこう思う』と示すのみで、否定も肯定も断定的な物言いもしていない。

 後に続くのは『ではあなたはどうか?』と、読み手自身に考えさせる方向へ誘導させている。もしかしたら、『悲観する力』を付けさせる意図があったのかも知れません。