アレコレ読みたい雑記

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ルポ路上生活

[著者:國友公司/KADOKAWA]

 著者の興味本位による“なんちゃってホームレス”になり切った、疑似路上生活体験レポート。

 「ここまで現場に入り込むのか」と言う熱視線と、「でも、どうせいつでも不自由ない元の生活戻れるんでしょ」みたいな冷めた視線と、半々くらいの気持ちで眺めていました。

 結局はホームレスを演じているだけなので、そこに多分『本物』が抱えている(と思う)多種多様な感情は乗っていなくて。

 その辺はなんか立場的に上から見ているような、たとえそんな気はなかったにしても、やはり常に降りられる安全性や安心感から『本物の凄味』には遠く及んでなさそうだなあ、と感じました。

 ただ、路上生活者達の現場は異次元の世界と言うか、そう言った未知の領域に触れる体験は存分に得られたかなと思いました。