アレコレ読みたい雑記

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迷路の外には何がある? 『チーズはどこへ消えた?』その後の物語

[著者:スペンサー・ジョンソン/扶桑社]


 前作で『現状維持』を選択して衰退した、小人ヘムのその後の物語。

 変わる事を心の中で恐れているから、どこまで行っても変われない。本当は変化を恐れているのに、認めたくないから『無難』と『現状維持』を求めてしまう。大多数の人間の心理に最も近いのは、このヘムなのではないかなあと思わされました。

 ヘムが「どうやったら変われるか分からないから教えてくれよぉ」みたくなってるのも、現状維持から抜け出したいけど抜け出せない、多数の人の声を代弁しているように聞こえたりしました。

 そんな『変わるべき時に変われる為の具体案』が、本書の中でいくつも示されています。少なくとも、現状維持からの脱出方法に迷い悩んでいた前作よりは、前向きな行動に出られるような気になれました。

 ただ、それでもやっぱり、『安定』とか『現状維持』から変われない“ぬるま湯のような居心地の良さ”を感じている内は、なかなか変われない難しさもあるのかも知れません。