アレコレ読みたい雑記

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ドーパミン中毒

[著者:アンナ・レンブケ/新潮社]


 人間の脳内快楽物質『ドーパミン』を過剰分泌させて、“中毒症状”におとしいれる罠とも言うべき『依存症』が、世の中には一体どれだけあふれ返っているのか。

 そして、人間とはそれら依存症の罠にどれだけ弱くて抵抗出来ない生き物なのか……と言った無慈悲で残酷な現実を、依存症治療を主とした精神科医である著者の知識と経験談から、まざまざと見せつけられてしまいました。

 ドーパミン中毒を引き起こす依存症によって、脳内でどんな働きが起こっているのか? 依存症を抱えてしまった人がそこから抜け出すには一体どうすればいいのか? 自分自身に対しての問い掛け、考え方や心構え、改善へと導く行動や実践方法など、支えや救いになれる話がとても多かったです。

 著者が実際に診た患者の依存症に苦しむ話は、生々しく苦痛に満ちたものながらも、非常に興味深く印象に残るものばかりでした。個人的に大切と感じた心構えは、『逃げない』『自覚する』『正直になる』です。