[著者:稲田豊史/光文社]
映画や映像を、パソコンや携帯端末などで『2倍速』『10秒早送り』視聴する人は、何故そう言った視聴方法を取るのか? その『心理』に鋭く踏み込み、現在の『コンテンツ消費』がもたらした『真理』へと迫り、答えに辿り着くまでの一冊。
読みながら、どうしようもなく“変えられない事実”だと個人的に思ったのは、「そういう時代だから、と受け入れるしかない」と言う事。特にメイン層である若年世代を中心に、“そうする事が当たり前”だと完全に根付いてしまっているので、そこに批判・否定・反論的な感情で介入した所で話にならないわけです。
ただ、本書で著者は『2倍速』『10秒早送り』を批判も否定も反対もしているわけではなくて。その事実に、善も悪も正しいも間違いもなく、中立的立場に徹して『広がりを見せつつある事』の根深さを語られている様子が印象的でした。