アレコレ読みたい雑記

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自分の中に毒を持て

[著者:岡本太郎/青春出版社]


 薬は薬でも『劇薬』の類の薬でした。本書を処方して(読んで)、苦しみに打ち勝って『良薬』となるか、精魂尽き果て倒れて『毒』となるか、全ては“あなた次第”と言った具合です。

 ただ、著者自身は平坦で平凡な道よりも必ず困難で険しい道を選んでいながら、決して「そうしなさい」「そうすべきである」と押し付けてはいないんですよね。全て『私はこうしたいと思ってこうした、ではあなたならどうする?』と言った問い掛けです。

 そう読み手に向けた上で、平坦で平凡な道を否定したり、逆に苦しく困難な道を選ぶ事を全肯定しているわけでもない。否定しているのは、『自分以外の周りの人や事に影響を受けて選んでいる』と言う事で。

 つまり、周囲がどうであろうと、自分自身と向き合い、自分だけの意思で、自分の進むべき道を決めよ、と言われているように思いました。

 しかし、自分以外の他者の影響を受けて何かを選ばされ易く、更にその事に気付き難いとなると、これがなかなか難しい……と感じさせられるものでした。少しずつでも先人の教訓を取り入れて日々実践あるのみ、ですね。